仕事用の名刺デザインの本質

初めに… ちょっと、詰込みすぎて少し長文です。
小冊子位な感覚で見てください。

HEARTSでは、デザインを勉強しはじめる頃、一番最初に作るのが『名刺』です。
ある意味、適度なロゴ・普段の住所や電話番号なので、さほど情報収集という意味で考える必要がないからです。

名刺は初めての相手に渡すモノになります。正直な所、私あまり名刺使いません。
名刺を配りまくってる新人社員さんの方が余程、上手にスマートに名刺や名刺入れを扱えるかと思います。

なぜ、名刺を使わないのか。受け取っても直ぐにゴミ箱へ行ってしますのか。
そこには、その人の情報なんて、殆ど書かれてないからです。

という事で、今回のテーマは、名刺デザインから転じて『名刺と名刺交換』について書きます。
この事を理解してもらって、改めて名刺を作る場合のデザイン。自分を表すデザインが何なのか…という事を考えてもらえたらと思います。 
ただ単に、可愛いとか、カッコいい…という事では無い『あるべき仕事用のデザインの本質』を理解してデザインして下さい。

社会で使うモノなら、社会背景を理解する

今、社会構造は大きく変化しています。 グローバル化を推奨した結果、雇用体系と人材の流動化が…。

なんて書いたら堅いですか? なので、難しそうな所は省略しますね。

①社会の雇用形態・雇用構造が大きく変わってきている最中(移行中)

昔は「正社員」「パート」「バイト」位しかありませんでしたが、今は普通に「派遣」「期間社員」など雇用形態の名称が増えてきました。採用する側の企業の側に立てば、至って当たり前の事ですが、雇用される側から見れば複雑に見えてしまいます。
今、グローバル化や生産性、またネットワークの構築が進む事によって、雇用の在り方、働き方そのものが変革中です。

② これにより人材の流動化が加速中

人材の流動化とは、簡単に言えば『固定されない』という事です。従業員が1つの会社に何十年と働き、終身雇用をしない働き方。これが流動化です。
これは、ライフスタイルが変動する(子育てや介護など)中にあって、束縛された働き方しかなければ、負担が大きい。そこで、働き方を柔軟にしようという表向きの目的があり、政府推奨であり、また企業にとってもメリットが大きい事で、現在も加速中です。

③ 終身雇用の終了

未だに一部 『正社員』である事がブランド化されていますが、それは前時代的となっています。
『正社員』が悪いのではなく、正社員だからこそやるべき事をせず、ただ漠然と正社員として働いているというのは、これからは通用しません。
因みに、私は雇われるのなら『正社員』という形態でしか働きません。なぜなら、経営内部に入れないのなら、面白くないからです。安定したいとか、給与がどうとか…という理由は一度も微塵も考えた事がありません。
だって、正社員だって、クビにもなるしね。
経営体質が合わなかったら、こっちから辞めるので。

私が会社を選ぶ基準は
『この会社をもっと良くしたい。自分ならそれがデキるから』
『この上司を助けたい。この上司をさらに上に上げてあげたい。自分ならそれがデキるから』
それが会社を選ぶ基準です。

働き方改革は『生産性』を求めます。 
これまで正社員で漠然と昇進していた事もありますが、これからは、生産性が無いのに、ただ年数だけ経過した社員は排除傾向にあります。
時代の変化が激しいのに、変化に耐えられない人間が上にいる事で、現場からの声をくみ上げられないなどの弊害があるからです。また、こういう社員は無駄に人件費が高く、会社経営を圧迫する要素になります。
流動化とは、こうした古い考えを持つ人材を排除する事も1つの役割と言えます。

④ グローバル化とは海外の安い労働者に仕事を振る事

『グローバル化』その本質は何かご理解していますでしょうか。
英語をマスターしたらいいとか、海外で働くんだ…。 それもそうだとは思いますが、国境の壁が無くなるという事がどういう事、わかってますか?
例えば図解すると、こういうイメージです

上から水を落とし、水が溜まる…。当たり前の事ですが、この時、どこに水が溜まりますか?
簡単ですよね。水は低い所程、溜まる。
この低さというのは、何かというと『人件費の低さ』です。
人件費が低い所に、多くの仕事が舞い降りるんです。

人件費の低さ。それで経済大国にのし上がったのが、中国です。
今となっては、経済発展して、人件費が高くなりましたが、それでも世界の経済発展というのは、歴史的にはこうした人件費や経済格差の『差』を利用して発展しているのです。

水は上から…、それこそ公平に降り注がれます。
しかし、受け止め側がそれを蓄えるだけのモノがなければ、仕事の請負量が減ってしまいます。

経済とは、基本的に公平です。逆にこれ程に公平性が無いんじゃないかというほど、公平です。
しかし、受け止める側が異なれば、不公平に感じます。

『勉学の格差』も同様の事が言えます。学ぶチャンスは、世の中にゴロゴロ転がっています。
無料で学ぶ機会など、山ほどあります。しかし、それを受け止められる器がなければ、チャンスがない、お金がないと嘆き何もしないという自分を差し置いて、不公平だ!と叫びます。
発展途上著しい中東アジアや、戦乱の中にいる訳でなく、世界で最も平和と言われる日本に入て、不満を言うのはどうかなと個人的に思います。環境のせいではなく、自分を見つめてみる必要がありそうですよ。

⑤ 海外で働く=英語習得ではない(私の経験では…)

実の所、私は英語が、大の苦手です。 大の苦手なのに、海外の企業とやり取りする。
今もスペインの会社とやり取りしています。 とはいえスペイン語じゃなりません。基本的に海外ベースで利用する言語は、それぞれの第二言語となる、英語を利用するケースが多いです。
中国とやり取りする場合でも英語です。 もちろん、現地語を使えたらスムーズですけどね。

こういうのって、もっと英語が得意な子がやるんじゃないのん?

そう思う事もあります。 必要な場合、法律・契約に関する事については、間にコーディネーターを入れてやり取りします。それは私が英語がデキても、やっぱりコーディネーターは入れておかないと…という保険も兼ねているからですね。
結果的に、私は英語が全くできなくても、海外企業と何の問題もなくやり取りできる訳です。
中学の時は、鉛筆転がして、答え決めてた人間がです(笑)

日本人の英語習得は、これだけ 英語万歳!な教育しているのに、世界で100か国中 53位です。
これは、英語能力のベンチマーク、「EF EPI英語能力指数2019年版」で発表されたものです。
ご興味があれば、こちらからレポートが見れます。

地域の英語ランキング EF EPI

同じアジア圏でも、シンガポール…香港・インド・韓国・台湾…と、かなり差を付けられて後ろの方です。
日本と同じなのが、パキスタンやボリビアとかですね。

英語もできない。工夫はデキても、独創性もない。 礼儀正しいし計算力は高いし、努力家。
土地は格安、人件費は高い… それが、世界のベースから見た日本です。

英語がスムーズにできて、創造性があり、時代の変化に対応できて計算もできる。何より人件費が安くて勤勉な国はどこか…。 普通そういう目線で探しますよね。 世界規模で見たら。

英語は大切です。やっておいた方がいいです。が、英語ができたから、英語の点数が良いから。それだけでは何も生みませんよ。グローバル=英語の点数を上げる事ではありません。
所詮コミュニケーションのツール。 ツールは使って価値があるんです。

⑥ さぁ自由にできるよ! が働き方改革の1つの側面

働き方改革とは、いくつの要素が組み合わさった相称をとして言います。

  • 時間外労働の上限規制
  • 有給休暇の時季指定
  • フレックスタイム制
  • 高度プロフェッショナル制度
  • 雇用形態に関わらなない構成な優遇の確保
  • パートタイム・有期雇用労働法
  • 労働者派遣法
  • 産業医などの保険機能の強化
  • 労働時間等設定改善法の改正
  • 勤務間インターバル制度
  • 労働安全衛生法 などなど…
へ・・へぇぇ~~~…

ですよね。

副業については、労働基準法の副業・兼業についてガイドラインが厚労省から出ています。
興味があれば…。

副業・兼業の促進に関するガイドライン[PDF形式:210KB]

名刺とは何か

組織の時代は過去のモノへ

少し遠回りしましたが、こうした背景を理解した上で、名刺とは何かを考えてもらいたいと思います。
本業でも、副業でもなんでも、名刺とは初めてやり取りする相手に対して渡すモノです。

上記に書いたように、これまでは『組織』が重視されていました。つまり、大手の企業に、有名な企業に勤務していること。そのネームバリューを利用して、社員は社名のブランドを利用して動いていたと言っていいと思います。

例えば、パナソニックがあるとします。パナソニックで働いているからといって、全員が「松下幸之助」ではありません。パナソニックの社員 だからといって、電気製品の全てが社員価格を超ええて安くなるわけでも、パナホームがとんでもない価格で買える訳でもありません。
会社には、色んな人達がいます。凄く成果を出している方、裏方で支える方、さらにそれを支える方。
組織として必要だから、そこにいる訳ですが、ネームバリューと従業員という関係性を考えた場合、昔程、どこかで働いているから…というのは、さほど重要視はされません。

因みに、なんでパナソニックなのかというと、友達がパナソニックの社員だから、何となくです。別に川崎重工業でも良かったんですけど…。

『組織』から『個』の時代へ

先ほどから書いている、副業が出てきましたね。副業・フリーランスとして、今はデビューする方が増えてきました。

例えば、最近であれば、coconala というサービスがあります。個人で自分のスキルを販売するネットサイトです。また、空いている時間に食べ物を配送する UberEATS があります。マクドナルドとか配送してくれますよね。

この様に、従来では実現できなかった個人スキルの販売が、ネットやスマホの普及によって実現可能になってきた訳です。 管理する人を雇わなくていい、システムが管理してくれるからです。

何でもかんでも、デジタルになって! 昔の時代が良かった! 
そう思いますか? 
じゃぁ。数十年前 まだ電話に 電話交換手という方々が雇われていました。今それをシステムが変わりにやってくれるから、スムーズに電話が掛けられます。昔みたいにやりますか?

モウス  モウス
昔は電話は人の手で手動で繋げられていた

この様に、時代とともにシステムが煩雑な作業を効率化させる、そして便利になる一方。電話交換手の方々は解雇されました。もちろん、それを管理する管理者・部長も課長も…。

個の時代に必要な事は何か

必要なのは、役職では無く、役割

役職がモノを言う世界は、特に行政サービスや公務員の世界では絶対的な効力を持ちます。就職先が公務員を目指しているなら、何を持っても、役職を最優先で上げる事です。役職が上がる実績にだけ特化すればいいし、私ならそうします。

しかし、民間は違います。 役職では無く、役割。
つまり、私はどれだけ権威がある…でも、何も役立たないなら、ただの過去にしがみ付いた、役立たない存在でしかありません。
必要なのは、『私は、あなたに●●がデキる』を約束できる事です。
そこに、過去の実績や役職など、全く関係がありません。

『遠い親戚より、近くの他人』という言葉があります。 
肩書だけあって、何の役にも立たない人よりも、自分と寄り添ってくれる人の方が良いという事です。

昔、『派遣の品格』というドラマがありました。派遣社員という立場で、正社員を横目に、120%以上の結果を出す派遣社員を描くドラマです。

また、さらに昔ですが『お水の花道』というドラマがありました。
二つに共通しているのは、どのような職業・どの様な雇用形態関係なく、また会社(店)の看板等、全く関係なく、自分が生み出す価値を信じて、自分なりのプロフェッショナルを追求して、顧客に提供していたい事です。

もう、大分と古いドラマではありますが、これからはこれが主体となっていくように思います。
それが、『個の時代』 私は●●をあなたに提供できます。 という事です。

名刺に必要とされる要素

さて、終盤に入ります。
この様な中で、名刺の役割は『名前を覚えてもらう事』では無いという事です。
昔、よくありましたよね。

お前も名前を覚えてもらえ!
この度、この地域を担当致します。●●です。

今だに、ありますよね。こういう営業スタイル。 
そうなんですねぇ。 と言葉では言いますが…

わぁ。昭和スタイルきたぁ~

と、頭の中では、突っ込んでしまいます。
で、あなたは、何をしてくれるの? と聞いて、本質を話さない、又は今日はご挨拶だけで…。 
という名刺は大体、直ぐにゴミ箱行きです。

名刺に必要とされるのは、明確な役割の提示。そして、それを円滑にする為の信頼関係の構築。

これです。
役割については、上記で書きましたね。
その為の、信頼関係とは人によります。手段の幅を選ばない事です。デキるだけ柔軟に。
一緒にお酒を飲む事が、信頼関係となるなら、それも1つ。
結果を出して返す事が信頼関係なら、頑張って結果を返しましょう。 それは話の中で掴んでください。
相手の信頼関係が、どこから出ているのか。

そして、名刺交換時には、簡単な自己紹介をする事になります。

私は●●で、■■をしております…。これまでに●●でして… 

そう、大体みんな過去を話す。

でも、私の方法は、ちょっと違います。
私自信にとって、過去とは過ぎ去った取り戻せないモノ。だから、未来を語る。

振り返った所で、大した過去なんてないよ

だって、これから、新しい人と、未来を一緒に歩むんでしょう?

例えば、恋愛で、こんな相手だったらどうですか?

今まで、●●人の女性と付き合ってまいりました。
過去には、ドライブで、■■や冬には、××なんかに行きました。
相手の女性からは、優しいと言われて好評です…。

どう・・・これ。 嫌すぎでしょ。こんな自己紹介されてきたら。
一回、頭冷やしてこいや…って突っ込みたくなりますよね。

でも、仕事場では、みんな。み~~~んな。これをする。

私の自己紹介の場合は、例えばこういう事です。

一番わかりやすく言えば、パソコンの先生してます。
今、何か困ってる事ないですか?
もし、何かパソコン関係でトラブルがあったら、いつでも言って下さいね。

もう、何百台と修理してるんで、結構 専門業者バリに治せると思いますよ。

さて、今回の御社の●●ですが、これいいんじゃないですかね・・・。

1.相手に寄り添う
2.これからも一緒にいるよ
3.過去(実績)
4.今、これからの問題提起

これです。
上の、と違うのは、過去は最低限度に、殆どが、現在・未来についての話という事です。
過去は、その内容を担保するために、必要になったら出す程度のモノです。

名刺とは、こうしたトークと同時に展開される紙媒体です。
そのトークを補助する為の、プレゼン資料と思ってもらったらいいです。

本来は、トークだけで完結できるけども、毎回連絡先を書くのがメンドクサイ。から名刺というものがあり、トークそのものがツマラナイ相手なら、名刺を持つ必要も無いわけで、トークや人柄に価値があるから、名刺を持っておきたいと思う訳です。

いいですか。
名刺とは、プレゼン資料!!

長く書きましたが、こうした社会背景。そこには、組織から、個の時代になっていく中で、利用する名刺。
名刺を渡す以上に、大切なのは、自分に興味を持ってもらうトーク。それを補助するのが名刺。

じゃぁ。あなたにとっての名刺とは、どんな名刺のデザインなんですか?!

という事です。
ねっ。 ただカッコいいとか、そういう事じゃないでしょ。
長いけど、HEARTSの生徒だったら知っておいて欲しいなって、書いてみました。

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